ロッカー/スチールロッカーの正しい選び方とは?【オフィス向け】

更衣ロッカー オフィス家具・店舗用品

スチールロッカーは、盗難防止や保管に役立つ収納家具です。オフィスだけでなく、学校やスポーツ施設などでも利用されます。施錠(ロック)できるものが多く、使う場所や用途によって様々な種類があります。サイズや鍵のバリエーションについてもご紹介し、どんなタイプを選べば良いのか、選び方を解説します。

 

スチールロッカーにはどんな種類とサイズがある?

スチールロッカーは身近なところで使われています。ロッカールームで洋服をしまったり、オフィスで書類やパソコンを収納したり、用途は様々です。ロッカーにはどんな種類があるのか、特徴とサイズをご紹介します。

 

パーソナルロッカー/モバイルロッカー

パーソナルロッカー

〈主な利用場所〉
オフィス、コワーキングスペース、自習室など

〈特徴〉
書類やパソコン、文房具などを保管するためのロッカーです。主に、フリーアドレスを採用しているオフィスやワークスペースで、個人用の収納として利用されます。庫内にコンセントや配線穴が付いたモバイルロッカーもあります。ノートパソコンやスマートフォンなどを、保管中に充電できるので便利です。書類投函口が付いた、メールロッカー兼用タイプや、スペースを縦長に使えるバーチカルタイプもあります。従来の縦横に区切られたタイプは、下段の人が使いづらいというデメリットがあります。しかし、縦長の場合、使用頻度の高いものを上段に置くなど、個人での工夫が可能です。

〈サイズ〉
パーソナルロッカーの標準的な本体サイズは、幅約90cm、奥行き約45cmで、高さにバリエーションがあります。高さは、約70cm、約1m、約1m80cmなどです。低いタイプは、上下に重ねることも可能です。内部寸法は幅約30~40cm、奥行き約40cm、高さ約30cmなどです。また、バーチカルタイプは高さが約80cmになります。

 

メールロッカー/メールボックス

〈主な利用場所〉
オフィス、学校、マンション、アパートなど

〈特徴〉
メールロッカーは、扉に書類や郵便物用の投函口が付いているロッカーです。オフィスや学校などでは、個人や部署ごと、クラスごとにロッカーを割り振り、書類や郵便物を仕分けするために使います。オフィスでは、社内を不在にしがちな営業部などで利用されることが多く、書類の紛失や、出しっぱなしによる情報漏洩を防ぎます。また、マンションやアパート、寮などでも、郵便用ポストとして利用されています。

〈サイズ〉
メールロッカーの本体は横長のものと、縦長のタイプがあります。横長のものは、幅約1m80cm、高さが約90cm、縦長は幅と高さが逆になります。奥行きは、どちらも40cm程度です。12人用や24人用などがあり、内部寸法は、幅約25cm、奥行き約35cm、高さ約20~35cmくらいです。

 

更衣ロッカー

更衣ロッカー

〈主な利用場所〉
オフィス、スポーツ施設、温浴施設、医療施設、工場、店舗のバックヤードなど

〈特徴〉
衣類や小物を収納するためのロッカーです。更衣室や店舗のバックヤードなどに設置され、制服や私服を保管します。1人用~12人用までのバリエーションがあります。2~6人用では、人数が増えると一人分のスペースが細くなっていきます。また、6~8人用は上段と下段に分かれます。さらに9人用は3列3段、12人用は3列4段などとなります。上下2段の場合は、ジャケット丈の洋服はかけることが可能です。ロッカー内には、付属品としてハンガーバーや鏡、フックやネクタイ掛けなどが付いています。

〈サイズ〉
更衣ロッカーの本体サイズは幅約90cm、奥行き約50cm、高さ約1m80cmなどです。1人分の幅は、標準的なもので約25~30cmです。多人数用の細いものでは約10~15cmになります。また、役員室などでは、幅45~60cmのワイドタイプが使われます。奥行きについては、どのタイプもハンガーを使うため約50~55cmです。

 

クリーンロッカー(掃除用具入れ)

〈主な利用場所〉
教室、オフィス、スポーツ施設、商業施設、住宅など

〈特徴〉
掃除用具を収納するためのロッカーです。学校の教室のほか、オフィスや様々な施設に設置されています。ほうきやモップ、バケツなどが収納できる標準タイプや、場所をとらないスリムタイプ、業務用掃除機も収納できるタイプなどがあります。掃除機収納用では、スムーズに入れられるようにスロープが付いた製品もあります。多くの製品はスチール製です。しかし、樹脂製(プラスチック製)の製品もあり、水に濡れる可能性のある場所などに適しています。また、住宅用ロッカーは化粧合板や木製で、ほかの家具にも馴染みます。

〈サイズ〉
スリムタイプや家庭用のクリーンロッカーは、幅約40cm、奥行き約40cm、高さ約1m60cmです。標準タイプは、幅45~60cm、奥行き約50cm、高さ約1m80cm。業務用や掃除機収納用はサイズが大きくなり、幅60~90cm、奥行き約65cm、高さ約1m80cmなどです。

 

シューズロッカー(下駄箱)

シューズロッカー

〈主な利用場所〉
学校、スポーツ施設、温浴施設、公共施設など

〈特徴〉
シューズロッカーは、学校やスポーツ施設などで使われる、多人数用の下駄箱です。扉付きタイプと、オープンタイプがあります。扉付きには、鍵付きや小窓付きがあります。オープンタイプは、個人ごとに仕切っているものと、縦の仕切りがなく、効率良く収納できるタイプがあります。また、上履きと下足を分けるための中棚付きや、長靴用のロッカーなどもあります。素材は、スチール製と、防水仕様のプラスチック製があります。屋外や濡れる可能性のある場所には、プラスチック製が適しています。

〈サイズ〉
シューズロッカーの本体サイズはバリエーションが豊富です。1列6段くらいの小型から、6列10段という大型サイズまであります。奥行きはどのタイプでも35~40cm程度です。内部寸法は幅約25cm、奥行き約35cm、高さ約25cmなどです。

 

小物(貴重品)ロッカー

小物ロッカー

〈主な利用場所〉
スポーツ施設、温浴施設、オフィス、ホテル、民泊など

〈特徴〉
小物や貴重品の一時保管に利用されるロッカーです。スポーツ施設や宿泊施設で設置されているほか、持ち込み制限のある場所で、貴重品や電子機器を一時的に預かる際などにも利用されます。また、店舗や商業施設のバックヤードでも、従業員用の小物入れとして使われています。扉に窓が付き、中が見えるタイプもあります。小物ロッカーは、私物の一時保管に役立ち、盗難、紛失対策に有効です。しかし、金庫ほどの頑丈さや耐火機能はありません。

〈サイズ〉
小物ロッカーは少人数用から50人用程度までバリエーション豊富です。たとえば、4人用で幅40cm、高さ30cm程度。50人用では幅約1m、高さ1m60cm程度です。奥行きは、お財布とスマートフォンが入る標準タイプは約30cm、タブレット等まで考慮した深型タイプは約45cmです。

 

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コインロッカー

コインロッカー

〈主な利用場所〉
駅、商業施設、スポーツ施設、温浴施設など

〈特徴〉
100円硬貨などを使って施錠するロッカーです。駅や商業施設などに設置され、ビジネスや旅行、買い物の際、手荷物を一時保管するために利用されます。有料で利用するタイプと、投入した硬貨が戻ってくる、リターン式があります。また、硬貨だけでなく、電子マネーやICカード、QRコードなどで認証を行う、キーレスタイプもあります。スマートフォンなどを使うことから、このタイプを『モバイルロッカー』と呼ぶ場合もあります。

〈サイズ〉
コインロッカーの本体サイズは、1台が幅約90㎝、奥行き約50cm、高さ約1m80cmで、数台を連結して使うケースが多くあります。内部寸法は、何人用かで大きく変わります。たとえば10人用では幅約35cm、奥行き約45cm、高さは約30cmなどです。また、もっと大きいものでは、キャリーバックが入るサイズもあります。

 

ロッカーの鍵にも種類がある?

次は、ロッカーのキータイプについて解説します。

シリンダー錠

鍵を差して回すことで施錠・解錠をする、もっともポピュラーなタイプです。デメリットは鍵を紛失したり、盗難に合ったりという恐れがあることです。スペアキーの保管や作成が必要になります。しかし、盗難の場合はセキュリティ面で心配が残ります。セキュリティ性を高めたい場合には、シリンダー(内筒)の交換ができる、内筒交換タイプがおすすめです。

 

ダイヤル錠

ダイヤル錠

ダイヤル錠は、数字のダイヤルを回して暗証番号を設定するキーレスタイプです。鍵を紛失する心配がなく、電池交換も不要で管理がラクです。ロッカーを使用するたびに使用時毎に任意の番号を設定できる自由変換式は、利用者が不特定多数の場合に適しています。暗証番号固定式は、利用者が限定されている場合に用いられます。また、施錠後は、ダイヤルを回して数字を崩してください。そのままにしてしまうと暗証番号漏洩のリスクがあります。

 

ボタン錠

ボタン錠は、数字のボタンを押して暗証番号を設定するキーレスタイプです。ダイヤル錠と同様に、メカ式のため電池交換不要です。また、ロッカー施錠後には押したボタンが自動で戻るため、暗証番号漏洩のリスクが軽減できます。

 

テンキー錠

テンキーで暗証番号を設定する、電池式のキーレスタイプです。鍵を使わないため管理がラクです。使用のたびに番号を変えられるビジター(ワンタイム)仕様と、登録した番号で固定するメンバー仕様の2通りの設定が可能です。

 

ICカード錠

ICカードをかざして施錠・解錠できる電池式のカードキータイプです。社員証や、交通系・電子マネー系のICカードをカギとして登録し、使用できます。鍵を別に持ったり、暗証番号を覚えたりする手間もありません。また、まとめて登録したり、履歴管理したりする必要がなく、管理もラクです。ロッカーを使用する使用のたびに登録カードがリセットされるビジター仕様と、登録したカードで固定するメンバー仕様の2通りの設定が可能です。

 

コインリターン錠

コイン(硬貨)を投入すると、鍵が可動してロッカーを施錠できます。解錠時にコインが戻ってくるリターン式と、お金が戻らない有料式の2通りの設定が可能です。使用する硬貨も選べます。鍵の紛失時には、マスターキーで解錠できます。また、内筒交換錠と同様、内筒ごと交換ができるので、セキュリティ面も安心です。

 

使いやすいロッカーの選び方

最後に、使いやすいロッカーの選び方と使い方のポイントも解説します。

 

ロッカーの選び方

●用途に合ったサイズを選ぶ

ロッカー本体の高さは、1m60~80㎝程度が一般的です。縦に何段かで、何を保管できるかが変わります。段数と保管物の例を一覧にしました。選ぶ際の参考にして下さい。

 

ロッカーの段数と保管できる物
段数 利用人数 使い方 保管できる物や特徴
1段タイプ 1~5人用 1列×1段
5列×1段など
・制服や私服、靴やバッグなど
・コートやブーツなど、丈のあるものもOK
2段タイプ 4~10人用 2列×2段
5列×2段など
・私服、靴やバッグなど
・ジャケット丈まで
3~4段タイプ 6~12人用 2列×3段
3列×4段など
・バッグや小物、書類やパソコンなど
・多人数で使用可能
5~6段タイプ 10~18人用 2列×5段
3列×6段など
・小物や書類、貴重品(一時保管)など
・段数が多い場合、一番上と下は使いづらい場合がある

 

●ロッカーに保管する物のサイズを確認しておく

購入前には、何を保管するのか、予め使う人の要望を聞いたり、サイズを確認したりしましょう。ロッカーに物が入りきらないと不便です。ギュウギュウに押し込むと、扉が破損してしまう場合もあります。入らない物が床などに置かれると、雑多な印象になってしまいます。たとえば、近年、貴重品ロッカーにはノートパソコンやタブレットの保管を希望する人も増え、従来のサイズでは小さすぎる場合があります。また、更衣ロッカーやシューズロッカーでは、冬のコートやブーツ、長靴などが入らなくて困ったという声もあります。

 

●環境に合った素材を選ぶ

ロッカーは、主にスチール製です。スチールは強度や耐久性が高い素材で、オフィスの収納やパーテーションにも利用されています。しかし、水に濡れる場所では、スチールは錆びてしまう場合もあります。水に強いのはプラスチック(樹脂)製です。プールや温浴施設に向いています。また、役員室やホテル、医療施設など、高級感や温かみを演出したい場所では、木製が適しています。設置場所の環境や、インテリアに合わせて仕様を選びましょう。

 

ロッカーの使い方のポイント

●扉を開けた際のスペースも考慮する

ストレスなく使うためには、ロッカーの扉を開けた際のスペースも考慮して設置しましょう。たとえば、オフィスのパーソナルロッカーなどは、通路に設置される場合があります。通路幅が狭いと、ロッカー使用時に、他の人が後ろを通れない場合があります。扉を閉めた状態からは、1m35cm~1m80㎝程度の通路幅をとることが理想です。

 

●定期的にロッカーの場所替えをする

個人ロッカーは、定期的に場所替えすることをおすすめします。ロッカーを固定しないことで、不要物の溜めこみや、書類のしまいこみなどを軽減できます。また、下段など、使いづらい場所を利用する人からの不満軽減にもつながります。

 

ロッカー/スチールロッカーの正しい選び方とは?【オフィス向け】まとめ

スチールロッカーは、保管に役立つ収納家具です。オフィスをはじめ、様々な場所で利用されています。種類やサイズのバリエーションが豊富で、特定の人が使うのか、不特定多数が使うのかで、施錠方法も選択できます。予算に合わない場合は、中古品を検討しても良いでしょう。ロッカーは主にスチール製のため、中古品でも遜色なく使える場合が多いと言えます。また、設置の際は、扉を開けた際のスペースも考慮し、気持ちよく利用できるようにして下さい。