衝立(ついたて)は部屋を仕切ったり、目隠しにしたりするために使われる家具の一種です。家だけでなく、オフィスでも活用されるアイテムなので、衝立の種類はバラエティーが豊かなため、どのような商品を選ぶべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで、衝立選びに必要な4つのポイントを詳しく紹介していきます。
衝立(ついたて)/パーテーションとは
ついたて(以下、衝立)とは、部屋の中などに立てたり、吊るしたりして、仕切りや目隠しに使う家具のこと。別名、パーテーションとも呼ばれています。衝立は部屋を仕切る以外にも、以下のような役割を持っています。
<衝立の主な役割>
- 音を遮る
- 視線を遮る
- 導線を分ける
- 飛沫の飛散を防止する
- セキュリティを確保する
衝立が壁となり物理的に飛沫の飛散を防止する効果もあるので、新型コロナウイルスが蔓延したときに、飲食店やオフィスなどで一気に導入されました。今では席と席の間に衝立が置かれている食堂や飲食店は珍しくないでしょう。
また、オフィスではプライバシー保護が重視されています。よって、周りから見えない環境で仕事ができる配慮として衝立が活用されている場面もあります。視界を遮ることで仕事に集中しやすくなる効果も期待できるでしょう。
席を個別に仕切っている例▼
衝立の活用目的は、導入場所によってさまざまです。あなたが衝立を導入する目的を考えて、それに合った衝立を選びましょう。
衝立(ついたて)/パーテーションを選ぶ4つのポイント
早速、衝立を選ぶ4つのポイントを解説していきます。簡易的に空間を仕切れるタイプについて紹介していきますね。
設置スタイル
衝立の設置スタイルは複数あります。まずは、どのように設置したいかを考えて、設置スタイルを選びましょう。衝立の主なスタイルは以下の通りです。
<主な設置スタイル>
- 自立式
- 吊り下げ
- 上下突っ張り
- 可動式(キャスター付き)
一般的にイメージされやすいのが「V」や「W」の形に折りたためるタイプの自立式ではないでしょうか。実際には、コンビニエンスストアのレジに吊り下げられているものや、スーパーのレジ前に設置されている透明なパーテーションなど、全て衝立に含まれます。床と天井に突っ張りをして簡易的な壁を作れる衝立もあるので、使用用途や好みに応じて設置スタイルを検討してみてください。
高さ
どんな高さの衝立を選ぶかも重要です。というのも、選ぶ高さによって、視界の遮蔽度や見通しの良さが変わるのです。つまり、衝立の高さが低いほどコミュニケーションが取りやすくなり、高いほどプライバシーが確保しやすくなると言えるでしょう。衝立の高さは、以下の表を参考にしてみてください。
<衝立の主な高さ>
衝立の高さ(床からの高さ) | 高さの目安 |
180cm | ・周囲から隔離されやすい ・立ち上がっても目線が隠れる |
150cm | ・座った状態だとプライバシーが確保しやすい ・立ち上がって存在が分かる |
120cm | ・座って視線を落とすとプライバシーが確保しやすい ・座って視線を上げると周りを見渡しやすい |
「床から何cmの位置に衝立がくるか」で高さを考えれば良いので、必ずしも床置きでなくても構いません。例えば、高さ70cmのデスクに50cmほどの衝立を置けば、座ったときに目線が隠れやすくなります。置く場所も考えたうえで、衝立の高さを選びましょう。
素材
衝立の素材選びも欠かせません。素材によって、衝立の印象が変わるのはもちろん、反対側がどの程度透けて見えるかはセキュリティ制に関わります。セキュリティの保護を重視するなら、半透明か不透明の素材を選ぶのがおすすめです。ただし、不透明で黒を基調をしている衝立だと、設置スペースによっては圧迫感を感じやすいので注意しましょう。
なお、主な衝立の素材には以下のようなものがありますが、デザインによっても反対側が見えるかどうかは変わります。
<衝立の主な素材例>
- 木材
- スチール
- 段ボール
- フェルト
- 布・クロス
- プラスチック
例えば、木材のように光を通しにくい素材でも、ブラインドや荒い網目のようなデザインなら光を通すので、衝立の向こう側に人がいるかは分かります。素材自体の透過性だけでなく、デザインによる透過性も考慮して衝立の素材を選ぶと良いでしょう。
機能
衝立には機能付きの商品が多数あります。主な機能を紹介するので、あなたが求めている機能を知り、衝立選びの参考にしてください。
<衝立の主な機能例>
- 折り畳める
- 伸縮できる
- 連結できる
- 物干しになる
- 画鋲が刺せる
- ブラインド付き
- マグネットが貼れる
- ホワイトボードになる
- フックが取り付けられる
衝立を家に設置するなら、使わないときは省スペースで保管できる折り畳み式がおすすめです。一方、オフィスに設置するなら、マグネットが貼れて掲示板代わりとしても使えるタイプは便利でしょう。ひとことに衝立と言っても付属している機能はさまざまなので、欲しい機能をイメージしながら探すと良いですよ。
なお、素材によっては、防水や防炎、制菌、吸音、防音などの機能が付与されているものがあるので、素材自体の機能も確認してくださいね。
衝立(ついたて)/パーテーションの例
続いて、衝立の具体例を紹介していきます。
オフィスに馴染む!
まず、オフィス向けにおすすめしたいのが、壁面がホワイトボードになっている衝立です。白を基調としたものが主流なので、オフィスの雰囲気と馴染みやすいのも特徴と言えます。
ホワイトボード付きの衝立▼
出典:エラスティック(内田洋行)
さらに、キャスターが付いているものがオーソドックスなので、その場でメモを取りたいときにすぐ移動させられます。また、クリーナーやマーカーをマグネットで固定しておけば、いちいち収納する手間もかかりません。オフィスにホワイトボードの衝立を導入して、ミーティングを画期的にしてみてはいかがでしょうか。特に、アイデア出しのディスカッションなどで役立つこと間違いなしですよ。
和室にぴったり!
家に和室があるなら、和風の衝立は見逃せません。和風の衝立には、障子風のものからふすま風のものまで、おしゃれなデザインがたくさんあります。
和風の衝立▼
出典:飾り棚付きスクリーン(ニトリ)
例えば、日差しが強い日の窓際に障子風の衝立を置いておけば、室内に入る光を和らげてくれるので部屋を心地よい明るさにしやすいです。また、和室に衝立が増えると、目隠しになるだけでなく、高級感ある空間を演出してくれるでしょう。部屋のインテリアとして、ぜひ検討してみてください。
必要なときに設置簡単!
折りたたんでコンパクトに収納できるものや、簡単に組み立てられるものなど、必要なときだけ使える卓上型の衝立もあります。
卓上型の衝立▼
出典:フォーカスパネル(コクヨ)
コクヨのフォーカスパネルは、吸音素材を使っているので周りの音が気になりにくく、Web会議をしていても周りに音が拡がりにくい仕様になっています。また、高さが約58cmあるので、座ったときに周りの視線が気になりづらいです。さらに、平らに折り畳めるので、収納にも便利です。卓上型を選ぶときは、収納のことまで考えてチョイスできると良いですね。
仕切りと壁面収納を両立!
仕切りと壁面収納を両立できるのが突っ張り式のパーテーションです。名前の通り、突っ張り棒を使って仕切りを作るタイプなので、床や壁を傷つけにくく、家が賃貸でも気軽に取り入れられます。
突っ張り型の衝立▼
出典:突っ張りパーテーション(アイリスオーヤマ)
突っ張り式の衝立には、完全な壁になるものだけでなく、隙間や穴が空いていて反対側が見えるものもあります。
ウォールラック▼
出典:ウォールシェルフ(サンワ)
また、ウォールラックやウォールシェルフと呼ばれるものも衝立の役割を担っているので、突っ張り式の衝立を探すときはあわせて調べてみるのがおすすめです。
衝立(ついたて)/パーテーションで本格的に部屋を仕切る!?
パーテーションを使えば、部屋を本格的に仕切ることも可能です。一般的に衝立やパーテーションというと、簡易的に部屋を仕切れるものを想像する人が多いでしょう。しかし、パーテーションには「ハイパーテーション」と「ローパーテーション」の大きく二つの種類があります。
前述した設置が比較的簡単なパーテーションをローパーテーション、いわゆる「衝立」と呼び、ハイパーテーションは天井や床などに固定するパーテーションを指します。
ハイパーテーションの設置例▼
出典:オフィスボール
ハイパーテーションはしっかり固定でき、丈夫なのがメリット。空間の中に新しく壁や部屋ができるイメージで、セキュリティ性も抜群と言えます。ただし、ハイパーテーションは簡単に設置できないので、専門業者に施工依頼が必要です。
オフィスボールはパーテーション工事も専門としているため、検討の際はぜひご相談ください。特に、オフィスの新設や移転に伴うパーテーション工事やその他の施工、オフィス家具など、オフィスに関わることはすべてお任せください。
なお、ハイパーテーションについて詳しく知りたい人は「施工型パーテーションの価格と工事費用、施工例を紹介」の記事もあわせて読んでみてください。
衝立(ついたて)/パーテーションを選ぶ4つのポイント【まとめ】
衝立を選ぶ4つのポイントをはじめ、衝立の例やパーテンションの種類について幅広く解説しました。あなたの求めている衝立はどのようなものなのか、イメージできたのではないでしょうか。本記事を参考に衝立を導入してみましょう。オフィスや家、どちらにおいても雰囲気が変わること間違いなしです。機能的な衝立も多いので、使用用途によって衝立を選んでみてください。