オフィスデスク・事務机の選び方、種類やサイズはどれがいい?

L字デスク オフィス家具・店舗用品

オフィスデスク・事務机は、会社でも在宅勤務でも使われる、仕事の必需品です。使いやすく、空間の広さに合うものを選ぶことが大切です。しかし、種類が豊富で、どれを選べば良いか迷う人も多いと思います。今回は、オフィスデスクの種類やサイズをご紹介し、選び方を解説します。

 

オフィスデスク・事務机にはどんな種類がある?

事務机

平机や袖机など、聞いたことがあっても、違いがよく分からないという人も多いと思います。まずは、それぞれの特徴をご紹介します。

 

平机(ひらづくえ)とは

平机はシンプルで使い勝手の良いデスクです。収納は、薄いセンター引き出しのみで、足元がすっきりしています。収納量を増やしたい場合は、ワゴンを別途購入する必要があります。しかし、席替えの際は、ワゴンを動かすだけで荷物の移動ができて便利です。また、オプションで足元に棚板が付けられるものもあり、ファイル収納などに利用できます。天板にある配線ダクトなどのケーブリング機能は、平机だけでなく、ほとんどのデスクに備わっています。

 

片袖机(かたそでづくえ)とは

片袖机

デスクとワゴンが一体化している机です。センター引き出しに加え、左か右のどちらかに収納が付いています。収納には2~4段の引き出しがあり、いくつかのタイプがあります。たとえば、3段のタイプは、A4が入る大きな引き出しと、中引き出し、小引き出しが付いています。2段のタイプは、A4が入る引き出し×2段です。薄いペントレイ引き出しが付いているものもあります。また、片袖机の収納部分は施錠ができるので、セキュリティ面でも安心です。

 

オフィスではスチール製が多く、家庭で使われる学習机などは木製です。

 

両袖机(りょうそでづくえ)とは

デスクとワゴンが一体化している机で、両サイドに収納があります。収納力の高さが魅力で、書類が多い職種の人や、管理職や役員用として利用されます。一般的なスチール製のほか、エグゼクティブ用や自宅用として木製もあります。

 

L字デスクとは

L字デスク

天板が直角に曲がり、L字型になっている机のことです。作業スペースが広くとれ、全体に手が届きやすいことが魅力です。モニターを複数置いたり、パソコン作業をしながら書類を書いたり、図面を開いたりする人に向いています。同僚とのコミュニケーションや簡易的な打ち合わせにも活用できます。テレワークで使用する場合には、お部屋のコーナーが有効活用できます。また、L字デスクに似たものにラウンドデスクや、オペレーションデスクがあります。

 

ラウンドデスクは、天板の手前側が広くなっていて、マウス操作などがしやすい机です。羽が広がっているようにも見えることから、ウイングデスクとも呼ばれています。オペレーションデスクは、天板が90度や120度に曲がっている製品のことです。パソコンを複数台使う人などに向いています。

 

フリーアドレスデスクとは

フリーアドレス

区切りがない大きな天板の机で、複数人で使うことを目的としています。フリーアドレスデスクには固定席はなく、空いていればどこでも利用できます。外出が多い営業部や、サービス部門などで採用されることが増えています。組織変更や人員の増減にも対応しやすいことが魅力です。各自の書類や荷物は、パーソナルロッカーなどで管理します。ロッカーにはバリエーションがあり、パソコンや携帯電話を、保管している間に充電することができるモバイルロッカーや、郵便物や渡したい書類を投函できるメールロッカー機能がついた製品などもあります。

 

昇降デスクとは

座っての作業だけでなく、立って作業する際にも対応できるデスクです。レバーなどで簡単に昇降でき、多目的に利用できます。長時間の座りっぱなしを防ぐために、ときには立って作業するのも良いでしょう。オフィスで働く様々な職種や、体格の人に合わせて調節できることも魅力です。

 

また、立って打ち合わせを行う、スタンディングミーティングを取り入れる企業も近年増えています。立つことによって血流がよくなり、脳が活性化するという研究結果もあり、創造力アップや斬新なアイデアが期待できます。なかには、電動で昇降できるものや、スマートフォンで操作できる製品もあります。

 

集中ブースとは

働き方の多様化により、1人で集中して作業するためのブース型の机です。オフィスや自宅への設置が増えています。吸音パネルに囲われたセミクローズドな空間は、集中して作業ができ、生産性向上が期待できます。周りの音や背景の映り込みを気にせずに済み、オンライン会議やテレワークにもぴったりです。

 

キャスター付きデスクとは

脚にキャスターが付いている可動式の机です。折りたたみできるものはフォールディングデスクと呼ばれ、研修や学習に活用されています。また、既存のデスクの背面側に設置して奥行きを広くしたり、手前に置いてキーボードをのせたり、横に置いて作業スペースを広げたり、サブデスクとしても利用されています。

 

オフィスデスク・事務机のサイズ

事務向けの机

オフィスデスクでは、『横幅・奥行き・高さ』という3種類の寸法を選んでいきます。どのサイズを選べば良いか、サイズ別の特徴を見ていきましょう。

 

デスクの横幅

よくカタログなどで『W1200』などと表記されているのが横幅です。『W』は幅という意味の英単語、Widthの略です。1200は1200mm、つまり1m20㎝のことです。デスクの横幅別に、大きさの目安を一覧にまとめました。選ぶ際の参考にしてください。

 

デスクの横幅(W)サイズ一覧
横幅(cm) (mm) 大きさの目安
70cm~90㎝ W700~900 コンパクトサイズ、ノートパソコンでの作業や研修用など
1m~1m10㎝ W1000~1100 ワゴンが入る標準サイズ
1m20㎝ W1200 足元にゆとりがある標準サイズ
1m40㎝~1m60cm W1400~1600 ゆったりサイズ、両袖机やL字型などにも適している
1m60cm~1m80cm W1600~1800 管理職用など。モニターを2台置いても、書くスペースがとれる
1m80cm~2m40cm W1800~2400 多人数用、フリーアドレスデスク、ミーティングテーブル

 

デスクの高さ

事務机の高さは主に次の2種類です。Heightを略した『H』で表されています。

 

●高さ70㎝(H700)

1971年に、デスクの高さの標準は、JIS規格で70cmとなりました。その頃の日本人の平均身長に合わせたもので、以降約30年間、学習デスクやダイニングテーブルなどでも、標準とされてきました。現在でも高さが70cmのデスクは取扱いされています。しかし、種類は少なくなり、現在の標準的なサイズと比べて低いと感じる場合もあるでしょう。

 

●高さ72㎝(H720)

現在では、72cmが標準的な高さになりました。日本オフィス家具協会によって推奨されています。以前より2cm高くなった理由は、日本人の平均身長が高くなったことや、車いすでの利用にも対応するため、書類がB5、B4からA4に統一されたためなどがあります。また、1971年当時より、外国人ワーカーが増えたことも影響しています。学習デスクやダイニングテーブルなどでも、72㎝を採用している製品が増えています。

 

デスクの奥行き

事務机の奥行きは、次のような種類があります。Depthを略した『D』で表されています。

 

●60~65㎝(D600~D650)

ノートパソコンでの作業に適しています。コンパクトサイズなので、狭いオフィスでも、空間にゆとりが生まれます。対面式のレイアウトではコミュニケーションも取りやすいでしょう。

 

●70㎝(D700)

オフィスデスクの奥行きでもっとも標準的なサイズです。ノートパソコンを使いながら書類を見たり、モニターとフルサイズキーボードを使ったりしても快適に作業ができる奥行きです。

 

●80㎝(D800)

奥行き800

パソコンを使いながら図面や書類を見られる、ゆったりサイズです。モニターを何台も使う場合や、デスク上に資料や本を立てて置く場合などにも適しています。空間に余裕があるオフィスに向いています。

 

オフィスデスク・事務机、選び方のポイント

デスクを選ぶとき、何を重視しますか。おしゃれな雰囲気にしたい、コストを抑えたいなど、様々な要望があると思います。そこで最後に、事務机の選び方のポイントを解説します。

 

おしゃれな雰囲気は色で決まる

オフィスの印象は、色によって大きく変わります。デスクの色は、白やライトグレーが一般的です。白やライトグレーの机は、照明を優しく反射し、お部屋全体を明るくする効果があります。しかし、いわゆる『事務机』というイメージです。おしゃれなオフィスにしたい場合は、デスクの色にもこだわりましょう。

 

スチール製でも、木目調の天板や、本体カラーが黒やシルバーのものもあります。オフィスデザインのイメージに合わせて選んで下さい。また、長時間のデスクワークはストレスを受けやすく、眼精疲労の原因にもなります。優しい木目調の天板は、デスクワークの際の癒し効果も期待できます。

 

レイアウト変更や人員の増減も考慮する

人員の増減や将来のレイアウト変更を考慮するなら、平机+ワゴンの組み合わせがおすすめです。席を変わる際に、ワゴンに荷物を入れたまま移動できるので便利です。レイアウトを固定するなら、フリーアドレスデスクを使う方法もあります。フリーアドレスを採用する場合は、個人の荷物やノートパソコンなどを収納するために、ロッカーの準備も必要です。

 

コストパフォーマンスなら片袖机がおすすめ

コストパフォーマンスの良さで選ぶなら、片袖机がおすすめです。同じサイズの平机+ワゴンよりも安くなる場合が多く、足元も少し広くなります。さらにコストを抑えたいなら、中古デスクの購入も検討すると良いでしょう。しかし、中古の場合は、同じ商品で必要数が揃わないことや、将来的に同じ商品が手に入らないことも多くあります。人員増加を視野に入れている場合は注意してください。

 

通路幅もしっかり確保する

オフィスデスクは、業務に合った、種類やサイズを選べるのが理想です。しかし、オフィスの広さや使う人数によって、調整も必要になります。デスクは大きくて使いやすいものの、通路が狭くて通りづらいオフィスでは、快適な環境とは言えません。たとえば、座席と座席の間は、1m60㎝~1m80cmくらいの通路幅が必要です。デスクの奥行きを5cm、10cm縮めることで、通路が確保できる場合もあります。デスクサイズは、業務内容とスペースをよく検討して選ぶようにしてください。

 

まとめ

オフィスデスクや事務机は、業務や空間に合ったものを選び、快適な仕事環境を整えてください。将来のレイアウト変更や人員の増減に対応しやすいのは、平机とワゴンの組み合わせです。コストパフォーマンスなら片袖机がおすすめです。フリーアドレスデスクの場合は、荷物やパソコン用のロッカーも必要になります。サイズを決める際は、あらかじめ、デスク上で使うパソコンやモニターのサイズ、台数を確認しておきましょう。また、通路幅の確保や、ほかのスペースが狭くならないかも考慮した上で選ぶことが大切です。